「シングルマザーになってからお金の心配ばかりしている…」
「どうにか貯蓄を増やしたいけれど、ほかのシングルマザーはどうやって貯蓄しているの?」
家庭の就労者が1人になるため、どうしても世帯年収が減ってしまうシングルマザー。
毎月の生活で精いっぱい・貯蓄はまったくできないという人も多いのではないでしょうか?
この記事では、シングルマザーが収入・貯蓄をふやすコツを大公開しています。
シングルマザー世帯の「理想的な生活費シミュレーション」もまとめてみました。
目次
シングルマザーの現状について
「シングルマザーになってから、お金が足りない生活をしている…。」
「シングルマザー世帯なら普通のことなの?それとも余裕のある生活をしているシングルマザー世帯もいるのかな?」
ほかのシングルマザーの生活が気になるという人も多いかもしれません。
特に「平均」は知りたいですよね。
まずは、シングルマザーの現状について確認しましょう。
母子家庭の平均年間就労収入はおよそ200万円
厚生労働省によれば、令和2年の母子家庭は約120万世帯です。
父子家庭が約20万世帯であることから、母子家庭が非常に多いことがわかるでしょう。
母子世帯の総所得は306万円です。
児童のいる夫婦世帯の総所得が約745万円のため、母子世帯の総所得は夫婦世帯の総所得に比べて約41%にとどまっています。
306万円という総所得には、公的援助などが加算されています。
「就労」収入に限れば、その額は約231万円です。
シングルマザーの生活費の平均は約19万円
母子家庭1カ月あたりの生活費は、約190,500円です。
これは、子どもの数を考慮しない平均値になっています。
さらにこの総務省の調査では、母子家庭の1カ月あたりの可処分所得が189,520円だと公表されています。
つまり、1カ月あたり1,000円近くの赤字が出ていることがわかるでしょう。
シングルマザーの約4割が貯金額50万円未満
「貯蓄がない」と答えたシングルマザー世帯は、実に32%にのぼります。
また「貯蓄がある」と答えたシングルマザーのうち、10%は貯蓄が50万円未満だと回答しました。
また貯蓄が200万円未満だという世帯になると、全体の約60%になります。
多くのシングルマザーが、貯蓄に苦心していることがわかりますね。
参考:国民生活基礎調査
シングルマザーが収入・貯金を増やす方法7選
シングルマザーの平均年収は約230万で、貯蓄が50万円を切っている世帯が約4割あることを確認しました。
全体的にシングルマザー世帯の生活は豊かではなく、毎月赤字になっている家庭もあるようです。
ここからは、シングルマザーが収入・貯蓄を増やす方法を紹介します。
できることから、コツコツ始めていきましょう。
収入・貯蓄を増やすコツは、以下の7つです。
1:手当を受ける
シングルマザー家庭には、いろいろと手当がつきます。
もらえる手当はできるだけ利用しましょう。
ただし、手当を受けるには所得制限をクリアしなくてはいけない場合もあります。
2:養育費をもらう
養育費を前夫から受け取っていますか?
養育費は、子どもの「権利」を保障するものです。
夫婦として関係が終わったとしても、前夫が子どもの父親であることに変わりはありません。
父親は、婚姻関係が解消されようが子どもを養育する義務を負っています。
一方で、「養育費をもらっていない」というシングルマザーが7割超いることも事実です。
「養育費を毎月もらっている」と回答したのは、わずか15%ほどしかいません。
養育費を相手が払わない場合、裁判することも可能です。
養育費の算定をおこない、きちんと相手にも責任を果たしてもらいましょう。
関連:養育費算定表
3:必要な収入と貯金額を把握する
家計簿をつけてみましょう。
収入と支出を「見える化」して、ムダがないか確認したいですね。
ざっくりと、将来子供にかかる教育費を計算するとよいでしょう。
幼稚園や小学校のころにはあまり教育費がかかりませんが、中学校・高校になるにつれて教育費は増えていきます。
また教育費に関しては、大学に通わせるかも非常に重要な問題です。
大学への進学を子どもが希望した場合、「学費を親(あなた)が出してあげる」のかそれとも「奨学金を利用する」のか考えなくてはいけません。
奨学金を利用する場合、その奨学金を返済するのは誰なのかもあわせて考えておきたいですね。
貯蓄をするための方法は、2つしかありません。
つまり、収入を増やすか支出を減らすかです。
収入と支出が把握できれば、どちらかの方法を試して家計を安定化させましょう。
4:正社員として働ける職場を探す
多くのシングルマザーは、パートタイムで働いています。
正社員で働いていた人も、結婚や出産を機に正社員の職を手放しているケースが多いからでしょう。
その後も育児・家事をひとりでこなさねばならないため、正社員職を手にすることは非常に難しいかもしれません。
ただ、パートと異なり正社員は給料が安定しています。
また社会保険料など会社が一部を払ってくれることから、生活が格段に楽になることが多いでしょう。
正社員として働ける職場があるのなら、積極的にチャレンジしていきたいですね。
最近では、シングルマザーの正社員登用を積極的におこなう企業も少しずつ増えてきました。
「どうせシングルマザーは正社員になれないだろう」と諦めるのではなく、まずは職探しをしてみましょう。
5:副業で稼ぐ
副業は、シングルマザーにこそ合っているでしょう。
多くの副業は、時間を選びません。
つまり、深夜でも早朝でも副業で働けます。
また副業は在宅でおこなえることが多く、通勤時間がないこともシングルマザーには都合がよいでしょう。
副業をすることで、スキルが身に付くかもしれません。
コツコツと副業を続けてスキルを伸ばしていけば、将来的に収入がアップする可能性もあるでしょう。
6:お金の使い方を見直す
先述した通り、シングルマザーは特に収支バランスを整えることを心がけなくてはいけません。
収入が増える見込みがないのなら、支出を見直しましょう。
ムダはないか、削れるところはないか見直すことが重要です。
特に光熱費や通信費などは、「大きな出費」のため見直せばかなりの支出削減になるでしょう。
スマホ代金は、特に見直したほうがよいでしょう。
昨今では、固定電話を設置していない家庭も多いです。
スマホはたしかに「生命線」ですが、ムダにお金をかける必要はありません。
月々のギガが余っているのなら、ギガを減らすのもよいでしょう。
また格安スマホの性能も悪くないため、格安スマホに乗り換えるのもよいかもしれません。
7:再婚も視野に入れてみる
シングルマザーにお金がない最大の理由は、「世帯に就労者が1人しかいない」からでしょう。
またシングルマザーは世帯の「一番の給与者」であると同時に「育児・家事」も担わなくてはいけません。
仕事・育児・家事すべてをシングルマザー1人でこなさなければいけないため、貧困に陥りやすいといえるでしょう。
反対に考えると、「世帯に就労者が2人いれば貧困に陥りにくい」です。
あなたが男性と再婚すれば就労者が2人に増えるため、世帯収入が増えるでしょう。
またあなたが働かなくとも、「男性=仕事」「あなた=育児・家事」とやらなければいけないことを分担できます。
再婚希望者OKのマッチングアプリがおすすめ|コロナ禍でも出会える
「誰かに頼りたい」と考えてしまうこともあるでしょう。
シングルマザーだからといって、恋愛が許されないわけではありません。
むしろシングルマザーこそ、もう一度恋愛をして幸せな結婚生活を送る権利があるでしょう。
「でも、シングルマザーはどこで出会えばよいの?」
「忙しくて、出会う時間もない」
「シングルマザーだとわかれば、男性も引いてしまうかもしれない」
シングルマザーの出会いには、マッチングアプリがおすすめです。
マッチングアプリなら、時間を気にせず活動ができます。
さらに、コロナ禍でも問題なく出会えるでしょう。
プロフィールにシングルマザーであることを書いておけば、「シングルマザーでも(あなたと)会いたい」という人からアプローチがもらえます。
シングルマザーには、たくさんの再婚希望者が活動しているマッチングアプリをおすすめします。
再婚活者が敬遠されるのではなく、反対にプラスと捉えられるようなアプリがよいでしょう。
関連:シングルマザーにおすすめのマッチングアプリ!婚活したいならコレ
手取り10〜15万円のシングルマザーの生活費シミュレーション
シングルマザーが収入や貯蓄を増やすコツを紹介しました。
まずは収入を増やすことを考えたいですが、貯蓄を増やすためには支出を減らすことも考えましょう。
大きく削れる項目はないか再度チェックして、出費を減らすとより貯蓄を増やせるかもしれません。
「でも、私の支出は普通だと思うんだけれどな…」
「そんなにお金を使っていないはずなのにまったく貯まらない…」
「ほかのシングルマザーはどんな項目で生活費を多く使っているの?」
シングルマザーの生活費配分はどうなっているのでしょうか?
ここからは、シングルマザー家庭における1カ月の理想支出を項目ごとにまとめています。
シングルマザーの平均収入が、約240万円だと先述しました。
ただし一部の高収入世帯によって平均収入が押しあがっているとも考えられるため、中央値は約200万円だといわれています。
つまり、毎月の収入中央値は約15万円です。
今回はシングルマザーの月収入が10~15万円だと仮定して、それぞれの項目にどれくらいまでお金をかけられるかシミュレーションしました。
項目は「家賃」「食費」「日用購入品」「水道光熱費」「通信費」「教育費」「保険・医療費」です。
それぞれ、以下のような結果になっています。
家賃は手取りの30%ほどが理想|約3〜4.5万円
家賃は、手取りの30%までが理想的だといわれています。
所得が少ないほど、家賃が全体に占める割合は大きくなるでしょう。
シングルマザーの月収が10~15万円なら、家賃は3~4.5万円が望ましいです。
それ以上を家賃にかけてしまうと、ほかの生活費にまわすお金が足りなくなるかもしれません。
単に「家賃」といっても、管理費(共益費)が別にかかる場合もあります。
管理費は毎月払わなくてはならないため、大きな額ではないとしても痛い出費になるかもしれません。
かならず管理費が別にかからないか、確認しておきましょう。
県営住宅・市営住宅は、シングルマザーの強い味方になってくれるでしょう。
県営住宅・市営住宅は、部屋の広さや人数・所得に応じて家賃が決定します。
気になる人は、住んでいる県や市の役所に問い合わせてみましょう。
食費は手取りの15%ほどが理想|約1.5〜2.2万円
食費は、手取りの15%ほどが理想的です。
月収10~15万円のシングルマザーであれば、食費にかけられるお金は約1.5万円~2.2万円でしょう。
食費は住居費と同じく、収入が少ないほど占める割合が大きくなることは仕方がありません。
また食事は生きるための活力となるため、これ以上安易に削ろうとしないほうがよいでしょう。
ちなみに1人暮らしの平均食費は、約40,000円だといわれています。
参考:家計調査
シングルマザー世帯の食費が、いかに少なく設定されているかがわかるでしょう。
食費をかけすぎているという家庭は、安く栄養のある食材にチェンジするとよいかもしれません。
日用購入品は手取りの6%ほどが理想|1万円以内
日用品代金は、手取りの6%までが理想です。
月収10~15万円のシングルマザーであれば、1万円以内におさえるようにしましょう。
日用品は食費とは異なり、「すぐに消費期限がくる」わけではありません。
安く売られるタイミングがあるため、まとめ買いをするのもよいでしょう。
水道光熱費は手取りの10%ほどが理想|約1〜2万円
水道光熱費は、手取りの10%ほどが理想的です。
月収10~15万円のシングルマザーであれば、水道光熱費には1~2万円ほどかけられるでしょう。
水道代金は住んでいる地域によって、かなりの差があります。
それぞれ自治体が、水道代金を決めているからです。
同じ水量を使用しても、一番安い自治体と一番高い自治体の水道料金には2倍以上の開きがあります。
光熱費であれば、「必要がないときはかならずコンセントを抜く」ことで多少は安くなります。
同じように、一度に料理を作る・家族全員が続けて風呂に入ることでガス代が節約できるでしょう。
まずはできることから、コツコツとこなしていきたいですね。
通信費は手取りの10%ほどが理想|約1〜2万円
通信費は、手取りの10%ほどが理想的です。
月収10~15万円のシングルマザーであれば、通信費には1~2万円ほどかけられるでしょう。
通信費といえば、スマホ代金です。
最近では、マイネオやワイモバイル・UQモバイルといった「格安スマホ」が登場しています。
格安スマホを上手に使えば、かなりの節約になるでしょう。
最近では、Wi-Fiが完備されているマンションもあります。
Wi-Fiを使うことが多い・副業でパソコンを使う予定だというシングルマザーの場合は、住居費にWi-Fi料金が含まれているような物件を探すとよいでしょう。
教育費は手取りの10%ほどが理想|約1〜2万円
教育費は、手取りの10%ほどが理想的です。
月収10~15万円のシングルマザーであれば、教育費に1~2万円以上はかけないほうがよいでしょう。
教育費の特徴は、「子どもの年齢が上がるにつれて、上がっていくこと」。
子どもが幼稚園や保育園・小学校に通っている間は、あまり教育費がかからないと感じるかもしれません。
ただ子どもが中学校・高校に通い始めると、教育費の割合が大きくなっていると気がつくでしょう。
教育費が上がり生活が非常に苦しくなってしまってからでは遅いため、事前にお金を用意しておきたいですね。
保険・医療費は手取りの5%ほどが理想|1万円以内
保険・医療費は、手取りの5%ほどが理想的です。
月収10~15万円のシングルマザーであれば、1万円以上にはならないようにしたいですね。
後述するように、母子家庭は医療費免除を受けられることが多いです。
公的な手当てを利用して、支出を減らすことを考えましょう。
何かあった場合に保障してくれるため、保険はあったほうが望ましいです。
保険の内容を見て、じっくり決めたいですね。
シングルマザーが利用できる公的支援制度
シングルマザー家庭にとって、理想的な1カ月の生活費について紹介しました。
モデルケースは月収10~20万円の場合ですが、それほど余裕のある生活ができるわけではないことがわかります。
ただシングルマザーには、就労収入以外にも公的な援助が期待できるでしょう。
公的支援制度を利用すれば、収入を増やすことや支出を減らすことも可能です。
シングルマザーが利用できる公的支援制度は、以下の7種類です。
1:児童手当
児童手当は、児童扶養手当とは異なる手当です。
シングルマザーは、児童手当も受け取れます。
というよりむしろ、児童手当は中学校を卒業するまでの子どもを育てている全子育て世代に支給されます。
(※ただし2022年10月から、世帯主の年収が1,200万円を超えている世帯に児童手当は支給されません。)
子どもの年齢や、何人目の子どもかによって支給額が異なります。
児童手当は、月額10,000円~15,000円です。
2:児童扶養手当
シングルマザーは、児童扶養手当の支給者に含まれています。
支給対象者は、市区町村の窓口にて申請が可能です。
児童扶養手当は、年収や子どもの数に応じて支給額が決定されます。
子ども1人で全額支給の場合は月額40,000円以上が受け取れるため、シングルマザーの助けになるでしょう。
子どもが18歳になるまで、児童扶養手当は支給されます。
児童扶養手当の問題は、所得制限があることです。
子どもの数が1人の場合は年収365万円以上、子どもの数が2人の場合は、年収412万5,000円以上あれば児童扶養手当が支給されません。
3:児童育成手当
児童育成手当は、18歳までの子どもを扶養する母子家庭が対象です。
子ども1人につき月額13,500円が支給されます。
ただし児童育成手当も所得制限が設定されているため、注意が必要です。
さらに、児童育成手当自体が存在しない自治体もあります。
詳しくは、市役所に問い合わせてみるとよいでしょう。
参考:児童育成手当(国分寺市)
4:特別児童扶養手当
特別児童扶養手当は、国が主体となって手当をおこなっている制度です。
どの市に住んでいても、もらえる手当であり該当する人は活用するとよいでしょう。
手当を受ける最大の特徴は、子どもに精神・身体の障がいがあることが条件だという点です。
20歳未満の子ども・かつ後述の条件を満たしていれば、すべての家庭に支給されます。
所得制限があるため、該当する所得はしっかりと確認しましょう。
5:ひとり親家庭の住宅手当
住宅手当は、各市区町村が実施している「独自の」制度です。
そのため、支給される金額は一概にはいえません。
居住年数や所得制限もあるため、しっかりと自治体に確認しましょう。
またシングルマザーは、市営住宅への優先的入居を認めてもらえることもあるようです。
市営住宅は非常に安く家賃をかなり抑えられるため、可能であれば入居を検討するとよいかもしれませんね。
6:ひとり親家族の医薬費助成制度
「けがをしたけれど、治療費が高そうで病院に行けない…」
「子どもの腕が折れているかもしれないけれど、レントゲンを撮ってもらったら高額になってしまう…」
医療費もまた、シングルマザーを苦しめているかもしれません。
高額な医療費を怖がり、病院に行くことが嫌だと思うシングルマザーもいるでしょう。
しかし放っておけば、生命にかかわる病気かもしれません。
シングルマザーが医療費を心配しなくてよいように、医療費助成制度があります。
利用費助成制度は、18歳以下の子どもとその親(または養育者)が対象です。
自治体によって助成内容が多少異なるため、あなたの市区町村に問い合わせてみましょう。
またすべてのシングルマザーが対象者になるわけではなく、ある程度の所得制限が設けられています。
所得制限については、自治体のホームページを確認してくださいね。
医療費助成制度は、健康保険に加入していることも条件です。
7:遺族年金
シングルマザー家庭の遺族年金とは、夫が死亡した場合に受け取れる年金のことです。
加入している年金の種類によって、受け取れる金額が異なります。
また具体的な条件・支給金額は、それぞれの年金によって異なるため、詳しくは自治体に問い合わせましょう。
遺族基礎年金は、子どもに「障がい」があるときに受け取れます。
支給には所得制限があります。
遺族厚生年金は、基本的に夫が亡くなってから妻が死亡するまで受け取れます。
ただし条件もあるため、詳しくはかならず日本年金機構で確認しましょう。
寡婦年金は、亡くなった夫が65歳に受け取る予定だった老齢基礎年金の3/4の金額が受け取れます。
期間は妻が60歳~65歳のみで、ずっともらえるわけではありません。
また、亡くなった夫と10年以上継続して婚姻関係になくてはいけない・亡くなった夫が国民年金の第1号被保険者として保険料納付を10年以上続けていなくてはいけないなどの条件があります。
シングルマザーが利用できる減額制度
シングルマザーが利用できる公的援助について紹介しました。
公的援助を使えば、就労収入以外にも収入ができます。
収入を増やすためにも、できるかぎり利用できるものは利用しましょう。
続いて、シングルマザーが利用できる減額制度を紹介します。
減額制度を利用すれば、支出を抑えられるでしょう。
利用できるものは、どんどんと利用していきたいですね。
シングルマザー世帯が利用できる減額制度は、7種類あります。
1:寡婦控除
寡婦控除とは夫と離婚・死別した人が対象であり、合計所得金額が500万円以下の場合に受けられる所得控除です。
寡婦控除は令和2年度(2020年)から改正されており、「ひとり親控除」が創設されました。
古くからの寡婦控除が、寡婦控除とひとり親控除にわけられた形です。
寡婦控除が適用されれば納税額が減るため、支出が減ることを意味するでしょう。
死別のためにシングルマザーになった人は、寡婦控除の対象となる可能性があります。
正社員として働いている場合は「年末調整」で、パート・アルバイトとして働いている場合は「確定申告」で必要項目に記載しましょう。
参考:寡婦控除(国税庁)
2: 国民健康保険の免除
国民健康保険の免除は「シングルマザーだから」というわけではなく、低所得者や大幅に収入が減った人すべてに適用されます。
低所得者の場合は「収入」や「扶養家族」によって減免割合が異なるため、適用者に入るかはかならず自分で確認しましょう。
自治体で多少の減免額が異なるものの、2~7割国民健康保険が免除されます。
問い合わせは、在住の「市役所」や「区役所」にしてみましょう。
3: 国民年金の免除
シングルマザーにかぎらず、所得が一定以下になれば国民年金も免除されます。
免除の度合いは「収入」や「扶養家族の人数」によりますが、全額~4分の1免除してもらえることも。
住民登録をしている市役所・区役所・町村役場の国民年金担当窓口へ申請書を提出してください。
参考:国民年金保険料の免除制度
4: 電車やバスの割引制度
JRの定期券や公営バス・地下鉄の料金が割引または無料となる制度です。
対象者はシングルマザーというだけでなく、児童扶養手当を受けている必要があるかもしれません。
子どものみ、または子どもとその親に適用されます。
非常にありがたい制度ですが、この制度は各自治体が独自におこなっている制度です。
そのため、公共機関の割引制度がない自治体もあります。
参考:JR西日本通勤定期の割引(神戸市)
5: 粗大ごみの手数料減免
粗大ごみ処理手数料の減免制度を設けている自治体もあります。
ただし粗大ごみ処理手数料の減免を設けていない自治体も、非常に多い印象です。
横浜市では福祉医療証を持っているひとり親世帯に、この減免制度が適用されます。
6: 上下水道料金の割引
上下水道料金の割引は、おもに児童扶養手当を受けているシングルマザー世帯が受けられる制度です。
ただし国の政策ではなく、自治体が独自におこなっています。
そのため、上下水道の割引がない自治体もあるでしょう。
まずは役所または水道局に問い合わせるとよいかもしれません。
7: 保育料の免除や減額
現在満3歳以上の子どもであれば、保育料が無料です。
ただ3歳未満であっても、所得によっては保育料が免除されたり減額されたりします。
保育料が完全に免除されるのは、住民税非課税世帯です。
年収約204万円以下、所得にすれば125万円以下が、住民税非課税世帯に当たります。
この場合、給食費も無料であることがほとんどです。
年収が204万円よりも多ければ、子どもの数によって保育料が減免されていきます。
シングルマザーに毎月の生活費を独自調査
シングルマザーが行政のサービスを上手に利用すれば、収入を増やして支出を減らせるということを紹介しました。
ただし大体のサービスが「シングルマザー全員」該当するわけでなく、所得が一定水準以下のシングルマザーにしか該当しません。
そのため該当所得を少し超えるくらいですべてのサービスが打ち切られるなら、所得をあまり増やさないように調整することも必要でしょう。
サービスを受けるために収入を調整することも、シングルマザーには重要なことになるかもしれません。
実際の生活がどのようなものか独自調査をおこないました。
具体的には「子どもの人数」や「シングルマザー歴」「1カ月手取りの平均」「1カ月の生活費」「やりくりの方法」を聞いています。
Q1:1カ月の手取りはどれくらいですか?
まずは1カ月の手取りを尋ねました。
回答者は3人います。
30歳・子ども2人(未就学児1人・小学生1人)・シングルマザー歴1年
1カ月の手取りは、およそ15万~18万円です。
ただしボーナスはありません。
元夫から、養育費をもらっています。
額は1カ月2人で6万円で、今のところは毎月もらえていますね。
就労手取りが15万円~というのは、この記事でも紹介した通り平均的な額です。
ただし住居費や食費によっては、15万円では余裕のあるくらしはできないかもしれません。
続いて、子どもが1人という女性から回答をもらいました。
33歳・子ども1人(小学生)・シングルマザー歴10年
1カ月の手取りは、およそ20~23万円です。
私は、高校の非常勤講師をしています。
非常勤講師も働きやすい高校で、少しながらボーナスもいただいてきました。
私立高校で勤務しているため、就労時間を考えれば稼いでいるほうだと思います。
ただシングルマザー歴が長く、子どもが小さい間は15万円くらいしか稼げませんでした。
この女性の場合、年収は250万円程度でしょうか。
やはり多くのシングルマザーが、年収200万円代で生活していることがわかります。
最後に、少し特殊な例を紹介します。
42歳・子ども2人(小学生2人)・シングルマザー歴3年
1カ月の手取りは、100万円以上あります。
私は非常勤医師をしているため、非常にお給料がよいですね。
とにかく働きたい日に、ガッツリ働く!
夜勤はいまのところいれていませんが、下の子どもが中学生になったらもっと働こうと考えています。
結婚しているときは「主婦」でしたが、医学部を卒業しておいてよかったですね!
確かに、「女医」は強いですね。
女性は子どもたちが大きくなると教育費がかかることから、できるかぎり働きたいと考えているようです。
Q2:1カ月にかかる生活費はどれくらいですか?
それでは次に、1カ月にかかる生活費をたずねました。
30歳・子ども2人(未就学児1人・小学生1人)・シングルマザー歴1年
生活費は14万くらいです。
毎月貯蓄は3~5万円しています。
ただこれからどんどん教育費や食費が増えていくとわかっているため、とても焦りますね。
地域柄アパートが安く、住居費30,000円なのも助かっています。
食費も極力抑えていて、約25,000円(給食費含む)です。
ただ、水道光熱費が高めなのが気になります。
平均すると、約20,000円はかかっている気がします。
来年は、子どもが新1年生です。
入学時はいろいろと必要なので、今から焦っています。
先輩シングルマザーから「子どもが小さいときこそ、、貯めどき」だと教わったといいます。
確かに子どもが大きくなるにつれて教育費や食費がかさみ、貯蓄できないかもしれません。
ただ、「子どもが小さいからこそ稼げない」というシングルマザー特有の悩みもあるようです。
次の意見を見てみましょう。
33歳・子ども1人(小学生)・シングルマザー歴10年
1カ月の生活費は、およそ10万円です。
もしかすると、もっと低いかもしれません。
生活費がこれほど抑えられている理由は、「実親との同居」です。
私は未婚の母親として子どもを産んでいるため、父母が「同居して皆で暮らそう」といってくれました。
おかげで家賃はかかっていません。
食費は親に「2人で20,000円」で手をうってもらっています。
元々はいらないといわれていましたが、さすがに30歳を超えると悪くて…。
ただ親と同居すると、ほとんどのシングルマザー特有の支援制度は受けられなくなりますよ!
住居費を抑える方法として、「親と同居」を思い浮かべる人が多いかもしれません。
親と同居すると、支出が格段に減って貯蓄はできますが、シングルマザー支援は受けられなくなることが多いようです。
詳しくは、お住まいの市役所・区役所に問い合わせてみましょう。
Q3:どのようにやりくりしていますか?
最後に、やりくりをたずねました。
30歳・子ども2人(未就学児1人・小学生1人)・シングルマザー歴1年
やっぱり養育費が重要ですね。
子どもが2人いるので、養育費頼りな一面もあります。
養育費は1カ月6万円で、「手渡し」です。
子どもたちとの面会の日に、養育費をもらうようになりました。
もう少しお金をためたいので、ママサイトで副業を探そうと考えています。
養育費をもらっていないシングルマザーが、約7割いると先述しました。
そのため養育費をもらえているシングルマザーは、少数派といえるのかもしれませんね。
養育費を払っていない父親に対して、裁判を起こすことも考えましょう。
続いて、「親と同居している」と答えたシングルマザーの意見を紹介します。
33歳・子ども1人(小学生)・シングルマザー歴10年
とにかく親を頼れるなら、頼ったほうがよいですよ!
親も孫が見れて満足そうですし、住居費がかからないことは本当にありがたいです。
子どもが10歳になったので、ようやく半分きた感じですね!
親と同居すると、確かに住居費がかからないため貯蓄できます。
また水道光熱費や食費も、シングルマザーと子ども(たち)だけより1人あたりにかかる金額が安くなるでしょう。
この女性は、親がまだ60代と若いことも功を奏したのでしょう。
最後に、このように回答したシングルマザーもいました。
36歳・子ども2人(小学生2人)・シングルマザー歴4年
私は年収を低くおさえています。
パート勤めのため、多少は年収を調整できるからです。
援助がもらえるギリギリの所得で生活しています。
そこまで余裕のある生活はできませんが、マイナスでもありません。
減免制度もめいいっぱい使って、政府にお世話になっています。
私のシミュレーションでは、高校までは問題なく行かせられそうです。
この女性の住む地域では、シングルマザーへの支援が厚いそうです。
また小学校ではPTA役員を免除されるようで、それもありがたいと回答していました。
シングルマザーに疲れたときに役立つサービス
シングルマザーの実情について、体験談を紹介しました。
やはりシングルマザーは自分で「育児・家事・仕事」をすべてこなさねばならず、非常に気苦労がたえません。
シングルマザーであるあなたがいかにストレスなく生活するかこそ、ひいては家族の幸せにつながるでしょう。
シングルマザーであることに疲れたならば、役立つサービスを利用して「息抜き」しなくてはいけません。
役立つサービスは、以下の3つです。
ファミリーサポート|育児の援助を受けたい人におすすめ
ファミリーサポートは、自治体がおこなっている独自制度です。
「子育てをしている人」と「子育てを応援したい人」を自治体が仲介します。
費用はかかる場合が多く、「有償ボランティア」扱いです。
シングルマザーだけが利用できるわけではなく、子育て世帯すべてがファミリーサポートを利用できます。
まずは自分の自治体でどのようなファミリーサポートがおこなわれているのか、チェックしてみましょう。
シングルマザー支援団体|悩みを相談できる
シングルマザー支援団体は、民間が主体となっている場合が多いです。
「入学金」を独自に支給している支援団体もあるほどで、シングルマザーの助けになるでしょう。
シングルマザー同士の交流会である「ママカフェ」「ホットサロン」もあります。
悩みを理解しあったり情報を共有したりして、有益な時間をすごしましょう。
シングルマザー専用のコミュニティアプリ|仲間が見つかる
シングルマザー専用のコミュニティアプリもあります。
コミュニティアプリを使えば、自分と同じような悩みを持つシングルマザーの仲間ができるでしょう。
たとえば「shin-mama-friends」が有名です。
shin-mama-friendsは誰でも無料で利用できます。
参考:shin-mama-friends(公式WEBサイト)
シングルマザーの手当を賢く活用しよう
シングルマザーは、本当に大変です。
世帯は1馬力であることがほとんどで、経済的な余裕がないかもしれません。
ただ、公的援助や免除制度があります。
自治体主体のものもありすべてを享受できないかもしれませんが、できるかぎり利用したいですね。
まずはそれぞれの自治体に、どんな優遇制度・減免制度があるか確認しましょう。
シングルマザーであることに疲れたら、役立つサービスを利用するのもよいかもしれません。
また「誰かに頼りたい」と思うなら、素敵な男性をマッチングアプリで探してみるのもよいでしょう。
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